NARUTO -ナルト-

【ネタバレ解説】NARUTO 五影会談編|月の眼計画、サスケの暴走、そして第四次忍界大戦への序曲

導入部分

五つの大国の影が一堂に会する。忍の世界の歴史上、かつてない異例の事態。しかし、その会談の場にサスケが殴り込み、そしてトビが「第四次忍界大戦」を宣戦布告する――。

五影会談編は、ペイン来襲編の余韻が残る中で始まり、物語を「里の戦い」から「世界の戦い」へとスケールアップさせる決定的な転換点です。五影それぞれの個性と思惑、闇に落ちていくサスケ、月の眼計画という途方もない陰謀、そしてナルトが九尾と向き合い新たな力を得る修行。大戦前夜の緊張感が全編を貫く6巻です。

この記事でわかること

  • 五影会談の経緯と各影のキャラクター
  • サスケの暴走と五影との激突
  • トビが語る「月の眼計画」の全容
  • キラービーとナルトの九尾チャクラモード修得
  • 忍連合軍結成から第四次忍界大戦開戦まで

読了時間:約18分 | おすすめ度:★★★★☆(世界の枠組みが一変する、大戦前夜の重要な布石)


基本情報

【五影会談編 基本情報】

  • 収録:単行本49巻〜54巻
  • 主要キャラ:うずまきナルト、うちはサスケ、トビ(うちはオビト)、五代目火影・綱手、四代目雷影・エー、五代目風影・我愛羅、五代目水影・照美メイ、三代目土影・オオノキ、キラービー、志村ダンゾウ、薬師カブト
  • テーマ:国際政治と忍の世界秩序、復讐の終着点、力の意味、仲間との絆
  • 舞台:鉄の国(五影会談場)、雲隠れの里、滝隠れ周辺

あらすじ

※ここから先、五影会談編の重大なネタバレを含みます

ダンゾウの火影代行と五影会談の招集

ペインの襲撃で綱手が昏睡状態に陥り、志村ダンゾウが六代目火影候補として暫定的に権限を握ります。ダンゾウは「根」の元締めであり、かつてイタチにうちは一族の粛清を命じた張本人。その冷徹な政治手腕で、五影会談への代表として自ら赴きます。

暁の脅威が各国に及ぶ中、四代目雷影・エーの呼びかけで、五つの大国の影が中立地帯「鉄の国」で一堂に会する、史上初の五影会談が実現します。

五影の個性と衝突

会談に集った五影は、それぞれ強烈な個性を持つ忍たちです。

四代目雷影・エー: 豪快で直情的な武闘派。弟・キラービーが暁に襲われたことに激昂し、サスケへの処刑を主張します。雷遁のチャクラを纏った体術は、四代目火影・ミナトにも匹敵する速度を誇ります。

五代目風影・我愛羅: かつてナルトと同じ人柱力であり、ナルトに救われた経験を持つ若き影。冷静な判断力で会談を仕切ろうとしますが、サスケの暴走には心を痛めます。

五代目水影・照美メイ: 溶遁と沸遁の二つの血継限界を持つ美しき水影。独身であることをネタにされると激昂するという一面も。

三代目土影・オオノキ: 最年長の老練な影。塵遁という最強クラスの血継淘汰を使いこなす。しかし腰が弱い。長年の経験から来る政治的な狡猾さを持ちますが、我愛羅の言葉に心を動かされることになります。

六代目火影候補・ダンゾウ: 右腕と右目を包帯で隠した老人。その下には、うちはの写輪眼と初代火影・柱間の細胞を移植した禁忌の力が隠されています。

サスケの乱入――五影との激突

会談の最中、サスケ率いる「鷹」が乱入します。サスケの目的はダンゾウ――イタチに一族の粛清を命じた元凶への復讐です。

サスケは雷影・エーと正面から激突。エーの圧倒的なスピードと雷遁の体術に対し、サスケは万華鏡写輪眼の天照と須佐能乎(スサノオ)で応戦します。エーは天照の黒い炎に包まれた左腕を自ら切り落としてでもサスケを倒そうとするほどの執念を見せます。

続いて水影・照美メイ、土影・オオノキとも交戦。我愛羅はサスケに語りかけます。

「お前の眼は昔の俺と同じだ…復讐に取り憑かれた目だ。それでは何も守れない」

かつて自分もナルトに救われたように、我愛羅はサスケを止めようとします。しかし、サスケは聞く耳を持ちません。闇に沈みすぎたサスケの目には、もう誰の光も届かない状態でした。

トビの宣戦布告――月の眼計画

会談場にトビが姿を現し、「月の眼計画」を宣言します。

月の眼計画の全容:

  • 九体の尾獣全てを集め、十尾を復活させる
  • 十尾の人柱力となり、その力で月に写輪眼の幻術を投影する
  • 全人類を無限月読の幻術にかけ、夢の世界に閉じ込める
  • 争いのない「平和な世界」を作り上げる

五影はこの計画を断固拒否。トビは残る二体の尾獣――八尾(キラービー)と九尾(ナルト)――を引き渡さなければ戦争だと宣告します。

こうして、忍の世界の全てを巻き込む「第四次忍界大戦」が正式に決定します。

サスケvsダンゾウ――写輪眼の代償

五影会談から逃れたダンゾウを、サスケが追い詰めます。

ダンゾウは右腕に移植した複数の写輪眼を使い、「イザナギ」を連続発動。イザナギとは、自分の死を「幻」に変え、なかったことにする禁術です。何度倒しても蘇るダンゾウに対し、サスケは冷静に写輪眼の数を数え、イザナギの回数制限を見抜きます。

最終的にサスケはダンゾウを追い詰め、倒します。復讐を果たしたはずのサスケですが、その心は満たされるどころか、さらなる闇へと沈んでいきます。

ナルトvsサスケ――鉄の国での短い対峙

サスケとナルトが鉄の国で短時間ながら対峙します。ナルトはサスケの現状を知り、「次に会ったら本気で戦う覚悟がある」と告げます。同時に、サスケを殺すのではなく救うという信念は揺るぎません。

一方、サクラもまた覚悟を決めてサスケのもとに向かいますが、闇に堕ちたサスケは躊躇なくサクラに刃を向けます。カカシが間一髪で救出し、かつての第七班の絆がいかに壊れているかを痛感する場面です。

九尾チャクラモード修得――キラービーとの修行

忍連合軍が結成され、戦争に備える中、ナルトは雲隠れの孤島「島亀」でキラービーとともに九尾のチャクラを制御する修行に入ります。

キラービーは八尾の完全な人柱力であり、尾獣との共存に成功した唯一の忍。彼の指導のもと、ナルトは九尾の意識と直接対峙します。

九尾チャクラモード修得の過程:

  • まず「闇の滝」で自分の中の闇(憎しみ・孤独)と向き合う
  • 九尾の憎しみのチャクラを引きはがし、自分のものにする
  • 母・うずまきクシナの精神が現れ、出生の秘密と両親の愛を知る

クシナとの邂逅は、ペイン編でのミナトとの出会いに続く感動的なシーンです。両親がどれほどナルトを愛していたか、九尾封印の夜に何があったかを知り、ナルトは涙しながらも「生まれてきてよかった」と実感します。

九尾チャクラモードを習得したナルトは、金色のチャクラを纏い、飛雷神の術に匹敵する速度と、圧倒的なチャクラ量を手に入れます。そして、遠く離れた戦場で第四次忍界大戦が始まったことを感知します。


考察・テーマ分析

国際政治と忍の世界秩序

五影会談編は、NARUTOが初めて「国際政治」を本格的に描いたエピソードです。これまでの物語は木ノ葉を中心に展開していましたが、ここで初めて五大国全ての思惑が交差します。

各国にはそれぞれの利害があり、簡単には協力できない。しかし、トビという共通の脅威が現れたことで、かつて敵同士だった国々が連合を組む。これは現実の国際政治の縮図でもあります。

特に我愛羅の演説は印象的です。最年少でありながら、五影の中で最も冷静で、最も核心を突く言葉を放つ我愛羅。「復讐」と「憎しみ」のサイクルを断ち切ることの重要性を、自身の経験から語ります。

サスケの転落と「闇」の深さ

この編でサスケは、回復不可能なレベルまで闇に堕ちます。ダンゾウへの復讐を果たしても心は満たされず、今度は「木ノ葉の忍全て」を標的にする。サクラにすら刃を向ける。

サスケの闇は、イタチの真実を知ったことで始まりました。「兄は里のために全てを犠牲にした。その里は兄の犠牲の上に平和を享受している。それは許せない」。サスケの論理は、ある意味で正しい。しかし、その怒りが向かう先は無辜の人々です。

ナルトはサスケを「救う」と言い続けますが、この時点でサスケを救えるのかどうか、読者にも確信が持てません。この不確実性が、最終決戦への期待と不安を高めます。

両親の愛と「出自」の受容

ナルトがクシナと出会い、両親の愛を知る場面は、物語全体の重要な転換点です。ナルトは長い間、「なぜ自分は孤独なのか」「なぜ自分に九尾が封じられたのか」という疑問を抱えていました。

クシナとの対話で、全ての答えが得られます。両親はナルトを深く愛していた。九尾の封印はナルトを守るためだった。自分は望まれて生まれてきた子供だった。

この「出自の受容」は、ナルトが九尾のチャクラを完全に制御するための精神的な基盤となります。自分自身を受け入れることで、内なる獣をも受け入れられるようになる。NARUTOが一貫して描いてきた「承認」のテーマの集大成です。


名シーン・名言

我愛羅の演説「憎しみに支配された目では何も見えない」

五影会談でサスケの処遇について議論する中、我愛羅が語った言葉。かつて自分も復讐と憎しみに囚われていた我愛羅だからこそ、その言葉には重みがあります。ナルトに救われた経験が、我愛羅を成長させた証です。

エーの覚悟「腕の一本ぐらいくれてやる!」

天照の黒い炎に包まれた左腕を躊躇なく切り落とすエー。弟を傷つけた者への怒りと、影としての圧倒的な覚悟を体現するシーンです。この一撃で、雷影がいかに強烈なキャラクターかが読者に刻み込まれます。

クシナの「ナルト、生まれてきてくれてありがとう」

精神世界で母の愛を知るナルト。孤独だった少年が、初めて母の言葉を聞く。このシーンは、ナルトのアイデンティティを完成させる重要な瞬間です。何度読んでも涙が溢れます。

トビの宣戦布告「第四次忍界大戦を始める」

静かに、しかし確実に世界を揺るがす一言。この瞬間から、NARUTOの物語は最終章へと突入していきます。個人の戦いから世界の戦いへ。スケールの転換を象徴する名シーンです。


まとめ

五影会談編は、NARUTOの物語を「個人の物語」から「世界の物語」へとスケールアップさせる重要な架け橋です。

五影それぞれの個性と思惑、サスケのさらなる転落、トビの月の眼計画の全容開示、そしてナルトの九尾チャクラモード修得。全てが次の第四次忍界大戦編への布石として機能しています。

特にナルトとクシナの邂逅は、この編のハイライトです。父ミナトに続いて母クシナとも出会い、両親の愛を実感するナルト。孤独の中で育った少年が、自分のルーツを知り、受け入れ、そして前に進む。この成長の軌跡が、NARUTOの物語を普遍的なものにしています。

次の第四次忍界大戦編では、忍の世界全体を巻き込む史上最大の戦いが始まります。穢土転生で蘇る過去の強者たち、うちはマダラの参戦、オビトの正体判明、十尾の復活。NARUTOのクライマックスがいよいよ幕を開けます。

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